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在宅医療シンポジウム(Vol.490)

2015/01/15 ブログ by 安川有里


 1/10、ヨコスカ・ベイサイド・ポケットで「みんなで支える在宅医療シンポジウム〜最期までおうちで暮らそう」が開催されました。
 
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 基調講演は「自分の最期は、自分で決める〜穏やかな最期を迎えるために〜」をテーマに、兵庫県尼崎市の長尾クリニックの長尾和宏さんが、最期の時の為に、今から考えておくべき事など、わかりやすくお話しして下さいました。
 自宅で最期を迎えたいと願う人たちは増えている一方で、 在宅医療への不安や家族の支えが得られないといった理由から8割近くが病院で亡くなっています。

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 私の姉は、最期の3ヶ月ほど、自宅療養に切り替えました。定期的に医師と看護師がそれぞれ訪問して下さったと聞いています。リビングの隅に置かれたベッドで家族とともに、語らい笑い穏やかに最期を迎えました。苦しんだ事もあり、娘2人は、つらがっている母親に寄り添いました。かかりつけの医師に臨終を告げられたときの姉の周りには、私以外の家族が勢揃い。(私は、駆けつけましたが、急変して間に合いませんでした)眠るように息をひきとりました。在宅療養にしたのは、本人を含めた家族の意思でした。
 
 この日、長尾さんは、「介護」から「快互」へ、「延命と宿命には分水嶺がある」「人生は脱水への旅」など、印象に残る言葉を使って、わかりやすくお話をして下さいました。例えば治療の止め時や終末期を間違えると後悔する事も考えさせられました。2時間近い講演の詳細はここでは省略しますが、人生の最終章の自己決定の重要性を強く感じた基調講演でした。

 ところで、横須賀市は、3年前から在宅支援の連携強化に向けて全ての職種が集まる合同研修会を行うなど、在宅医療の先進市といわれています。

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(市の発行している冊子)

 後半のパネルディスカッションでは、市内で在宅医療・地域包括ケアシステム構築に尽力されている、野村良彦医師・大友宣医師・豊田茂雄医師をパネリストにお迎えして、自宅で受ける医療と病院で受ける治療の違いなどを話し合いました。
 在宅医療を始めて20年、昨年日本医師会第2回「赤ひげ大賞」を受賞された野村良彦医師は、かかりつけ医、地域医療、在宅医療は、「目・手・足」が届く地域の医療である事をもとにお話をして下さいました。衣笠病院と湘南国際村クリニックの大友宣医師は、神津島の僻地医療の体験、魂魄(こんぱく)をつれにいくという概念などを通じて、在宅医療のあり方をお話しして下さいました。横須賀共済病院の地域連携センター長の豊田茂雄医師は、地域連携・チーム医療・地域完結型医療の現状と、地域包括ケアシステム構築について、詳しく話して下さいました。
 会場のベイサイド・ポケットには老若男女でほとんどの席が埋まり、みなさん3時間の充実したシンポジウムに熱心に耳を傾けていました。

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(会場のロビーのパネル)
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(会場のロビーのパネル)
 
 毎日の生活の中で、改めて考える事の無いかもしれない、自分の最期。自身の最期をどうするのか、考える機会になりました。今日参加出来なかった方も、是非、機会をみつけてこのようなシンポジウムに参加してみて下さいね。


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