リフレッシュ・相模湖(Vol.441)
2014/09/07 ブログ by 安川有里
県民企業常任委員会・おひとりさま視察、最後は「相模貯水池大規模建設改良事業」です。
まずは、『リフレッシュ・相模湖』と名付けられたこの事業の概要からご報告!
相模ダムは昭和19年に湛水を開始、以来、半世紀以上を経過し、ダムの宿命でもある堆砂が進んできました。これに対処するため、陸上掘削などにより堆砂の除去を行ってきましたが、昭和62年度からは、しゅんせつ船団を導入しての水中掘削に切り替え、年間10〜15万㎥のしゅんせつを行って来ました。さらに、平成5年度からは、関係する水道事業者と共同して、上流域の災害防止と有効貯水容量の回復を目的に、「相模貯水池大規模建設改良事業」を開始しました。この事業では、しゅんせつ船団を2船団にし、年間しゅんせつ量を25万㎥と増加させてきました。
これまでの事業効果により
① 計画河床までのしゅんせつが概ね完了し、洪水時の上流域の安全性が確保されたこと
② 上流域である山梨県内の砂防施設等の整備が進み、貯水池に流入する土砂量が当初の推定を下回ったこと 以上、
2点が確認されたことから、平成21年度に事業計画の見直しを行いました。
翌年度からは、洪水時の上流域の安全性確保を最優先とし、1しゅんせつ船団で計画河床の維持につとめています。
しゅんせつ船団の「おしごと」の陸揚げの様子を見せていただきました。
貯水池内の体積した土砂をしゅんせつ船団のバックボウ船で水中掘削で取り除きます。
土運船は押船でおされて陸揚場まで曳航します。
陸揚場では、陸上のバックボウでトラックに積み、仮置き場に運ばれます。
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(↑ をクリックして下さい。トラックに積む動画です)
仮置き場では、土砂を乾燥させるとともに「仮置き土整形」を行い、しゅんせつ量を量ります。土質検査(土砂の形状など)を経た土砂は、建設骨材、河川の置砂や茅ヶ崎海岸の養浜に、また、大学や運動公園のグランドの土として利用されます。
しゅんせつ地に隣接する土地改良区の造成の盛土として利用されています。ここは、平成34年の農地としての完成をめざしています。200万㎥の土砂を埋め立てる予定で、現在までに95万㎥、丁寧な作業が続けられています。
相模ダムが出来て70年、河床の維持に努めている職員の皆さんにお話を伺うことができた、有意義な調査でした。