ゲートキーパー養成講座 (vol.326)
2013/11/29 ブログ by 安川有里
昨日、11/28、県庁で県議会議員を対象にした「ゲートキーパー養成講座」が開催されました。
「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、
適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことで、言わば「命の門番」とも位置付けられる人のことです。
1998年から自殺死亡者が一挙に増加しました。
1997年の山一証券の破綻、いわゆる「山一ショック」以来の経済不況が、原因の一つ?
40代から60代の男性の自殺者が増えたそうです。
神奈川県ではこの10年間で17,451 人の方が自殺で亡くなりました。
一方、10年間の交通事故死亡者は、2,217人で、自殺でなくなった方は交通事故の約8倍にも及んでいます。
私は、電車通勤ですが、毎日のようにどこかで「人身事故」がおきている気がします。
自殺は防ぐことが出来る……。
「自殺総合対策大綱(2007年6月8日 閣議決定)」においては、
9つの当面の重点施策の一つとしてゲートキーパーの養成を掲げ、
かかりつけの医師を始め、教職員、保健師、看護師、ケアマネージャー、民生委員、児童委員、各種相談窓口担当者など、関連するあらゆる分野の人材にゲートキーパーになるための研修等を行うことが規定されています。
また、ゲートキーパーは、日本だけでなく海外でも、自殺対策の分野で広く使用されている用語です。
WHO(世界保健機構)を始め、多くの国々で使用され、その養成プログラムが実施されています。
今回の養成講座の講師は、帝京大学医学部精神神経科教授の張賢徳さん。
大阪生まれの張さん、軽妙な語り口で、ゲートキーパーになるための基本的な考え方をお話しして下さいました。
自殺する方の97%が精神科の診断がつくとのこと。
精神科医としての目線でのお話に、一つ一つ納得。
自殺対策では、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤立・孤独」を防ぎ、支援することが重要です。
専門性の有無にかかわらず、それぞれの立場でできることから進んで行動を起こしていくことが自殺対策につながるとのことでした。
大切な人のサインに気づき、悲しい思いをする(残された家族など)方を、
一人でも減らさなければと思いました。