手づくりにこだわる! (vol.308)
2013/10/03 ブログ by 安川有里
常任委員会のための9/24の視察、2か所目は、高座豚を生産し、加工・販売をしている「高座豚手作りハム」でお話を伺いました。
まず、工場見学。
店舗の裏に回ると、そこは工場。
前日に脱骨した枝肉をここで整形しています。
視察当日は、ハム(ボンレスと肩ロース)をつくっていました。
塩漬けされたお肉を水洗いし、余分な塩分と異物を取り除き、
ケーシングに充填していきます。
そして、両端を縛ったものを、奥の乾燥・薫製室へ。
ボイルして出来上がったものを、冷却、包装して、お店に出して販売します。
ハムをつくる工程がすべて、この敷地にある建物の中で行われています。
「高座豚手造りハム」は生産者(養豚業者)が設立した会社です。
創業は1984年。養豚家が共同で設立しました。
現在は株式会社ですが、はじめは農業組合法人という会社だったそうです。
(農家が自分たちで生産したものを、加工・販売するにあたり、共同で運営する形態のことです。)
直営農場という言葉がありますが、
ここの場合は「農家町営のハム工場」という言い方のほうが、ぴったり当てはまるように感じます。
養豚家としてはプロ中のプロでしたが、豚肉からハムやソーセージにするのは全くの素人ばかり。
すべて、手探りから始めたそうです。
それなのに、難しい加工品をつくろうとしたのは、豚をまるごと一頭無駄なく利用できるようにするため。
手塩にかけて育てた豚を、人の口に入るまで責任を持って見届ける
・・・そんな意気込みが、いまも「高座豚手造りハム」に、脈々と受け継がれています。
現在は5農場でエサを共同購入し同じ品質を目指して飼育されています。
添加物や薬は使わない、豚の履歴が解る、と徹底して飼育された豚です。
「お肉を保存するために加工するのではなく、お肉をさらに美味しく食べて頂くために、ハム・ソーセージにしています」と社長の志澤さん。
「直接お客様にお伝えする」「自分が育てた豚の評価をお客様から直接聞くことが出来る」、社長自らが店に出て接客します。
豚肉は加工処理してから、7〜10日が最も美味しい!
こんな表示があるお肉、スーパーでは手に入りません。
ヨーロッパでウインナーを食べて、「この美味しさを、自分の豚でつくれたら」と研究をされたのが前社長の志澤勝さん。
地域に根ざした経営を続け、その意志は、次女で現社長の菜穂子さんに受け継がれています。