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水産資源を、守り&育てる  (vol.300)

2013/09/09 ブログ by 安川有里


北海道視察、最終日は、余市にある「北海道立総合研究機構 水産研究本部・中央水産試験場」へ。


(水産試験場のエントランス)


(上の模型の中央部から、日本海が広がっています)

道内の魚類養殖や、水産物の安定供給、海洋開発、環境保全の研究拠点になっています。
また、道内にある7か所(本部を含む)の水産試験場の取り組みの調整を行っています。
3隻の試験調査船による海水温・塩分データをとりまとめ、調査結果を速報として一般に広報している他、
大学や民間企業との連携による試験研究成果を「マリンネット北海道」によって情報の共有化も図っています。

北海道の現在の漁獲量は、130万トン2747億円。

昭和50年代のピーク時に比べ半減した漁獲量ですが、
人為関与により生産力を高める栽培漁業の推進を行っています。
実例としては、ヒラメやニシンの人工種苗放流技術の開発、
昆布や海藻が生えない磯やけ対策の試験研究、魚病の研究などがあげられます
最近は黒潮の大蛇行や水温の上昇により漁獲量に影響が出ていますが、
流動環境シュミレーション水槽などの実験施設を活用し、魚礁など沿岸漁業の造成技術や、
環境コントロール手法に関する研究も行っています。


(ニシンが捕れない時期があり、マツカワの養殖が始まりました)


(養殖昆布と自然に生えた昆布の比較ができます)

中央水産試験場の担当エリアは石狩・後志海域。
この地域は、ニシン漁で賑わっていた頃がありました。


(その頃の写真が飾られていました)

興味深いエピソードを一つ。
ホタテ漁の時に一緒にとれるヒトデ。
これまでは、廃棄していましたが、廃棄にもお金がかかります。
そこで、有効利用出来ないか?と開発。
ヒトデは、肥満防止のためのペットのサプリにetc.になりました。
骨まで使おう!がコンセプトです。

その他、「SURIMI」という言葉で世界に通じる開発になった裏話も聞かせて頂きました。


(最後に水槽のあるスペースで説明を聞きました)

もちろん、神奈川県の水産試験場は視察済み。
水域環境の保全などを重点プロジェクトに設定し、調査研究に取り組んでいます。

農林水産業は自然が相手。
持続可能な社会を構築するためには、環境への負荷の少ない生産と消費、物質的な循環、
自然と共生した暮らしといった循環・共生型の社会システムへの転換が求められています。
今回の北海道の調査は、そのことへの、飽くなきチャレンジの姿を見ることので来た、有意義な3日間でした。


(3日間の調査を終えて中央水産試験場前で、記念撮影の準備!!)


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