微笑みの国 ④ Moving Together 洪水からの復興 (vol.266)
2013/04/09 ブログ by 安川有里
3/29 はまず、アユタヤ県にある民営のロジャナ工業団地にある「ホンダ・オートモービル・タイランド」へ。
ここは、ホンダのアジア・大洋洲地区における最重要拠点のひとつで、四輪車の製造・販売を担っています。
従業員数は6100名、昼夜2交代で年間28万台を生産しています。
(その他、バンコクなどの営業担当を入れると7000名が従事。この工場では、40名の日本人スタッフが働いています。)
生産している車種は、CITY・Jazz(日本ではFit)・BRIO・CIVIC・CR-V・Accordなど。
需要は以前は商用車が中心でしたが、ここ2~3年乗用車として個人で購入する方が増えているそうです。
理由は、CITYなどの1.5ℓ以下の車を購入する際、ファーストカー・インセンティブとして、
10n万バーツが還付されるということ……でした。
タイ・アユタヤ県といえば、まだ記憶に新しいのが大洪水。
復旧の様子をビデオで見せていただきますいた。
2011年10月8日、PM5:35
HONDAの工場前の堤防が決壊しました。
未曾有の大洪水。
決壊後、一日で水位2mを越える冠水。
(ちなみに、↓の写真は私たちが訪問した時の同じ場所の写真です)
一ヶ月を超える浸水によって、工場設備や出荷まちの1055台の完成車が廃車に追い込まれました。
(冠水の様子はボートで確認。大半の設備が洪水によって、壊滅的な被害を受けました)
排水が完了した2011年11月以降、再稼働に向けての作業が始まりました。
目標は、2012年3月末。
工場が被害を受けているということは、近所に住んでいるほとんどの従業員も、「洪水の被害者」。
しかし従業員は、「まず、会社」と、明るく前向きに対処していきました。
床にこびりついたヘドロを洗い流し、
廃棄する設備を搬出、敷地内の剥がれた芝生も張り替えたそうです。
そして、1055台の完成車をスクラップ。
工場で生み出され、誰の手にも渡ることなく廃棄処分…
自ら生んだ子供を、自らのてにかける…そんな辛い思いをされたそうです。
2012年3月26日、再稼働!
「洪水を乗り越えて、ホンダは強くなる」
“Moving Together ” を合言葉に,
洪水を乗り越えて、再稼働にこぎつけました。
洪水の被害にあっても、撤退しないのは何故?
の質問に、当日アテンドしてくださった森さんは、
*敷地の広さなどの環境
*インフラへの投資が確かなこと
*外資への優遇措置
と説明して下さいました。
東日本大震災がそうであったように、タイの洪水はいともたやすく、産業の基盤を奪い去りました。
そんなことに、負けてはいられない、一緒にやって行こう!
と、乗り越えたタイ・ホンダの皆さんに、
アジアの底力を感じ、復興のドラマを見せていただきました。