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群馬大学ー重粒子線治療の最前線を視察 (vol.209)

2012/09/11 ブログ by 安川有里


8/10、会派の仲間・楠議員のセッティングで、
以前から調査したかった「群馬大学重粒子線医学研究センター」へ。

国民の死亡原因の第一位は『がん』。
この病気と戦うために、様々な研究が行われてきました。

そんな研究の中で、画期的な治療として、今、脚光を浴びているのが、「重粒子線治療」。
神奈川県でも、県立癌センターに併設して、2015年12月から重粒子線治療が受けられるようになります。

そこで、3年前から重粒子線治療を始めた、群馬大学医学部の重粒子線医学研究センターを訪れるために、群馬県前橋市へ。

前橋市は、私がTBS「子ども音楽コンクール」の司会をしていた頃、毎年訪れていた街。
テレビ神奈川の取材でお世話になった街です。
いつも、焼き饅頭を食べて帰った思い出があります。

ところで、みなさんは、重粒子線治療について、どんなイメージを抱いていらっしゃいますか?

費用もかかるし、強い放射線と聞いて、ちょっとね……と思っていらっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。

確かに、群馬大学でも、この治療を受けるのに、314万円かかります。
また、
効果を集中させるため、
癌の中でも、治療出来るものと、できないものがあります。
が、治療に効果があるとされる「前立腺がん」「肺がん」「前頭部がん」「肝がん」「直腸がん」「骨軟部のがん」に対しては、効果があるとされています。

で、群馬大学の調査。

「重粒子線治療」とはのDVDを見たあと、
施設を見学させて頂きました。

重粒子線とは?
放射線は、空間や物質中を波や粒子の形で伝わり、物質にエネルギーを与えます。
放射線の中で電子より重いものを粒子線、ヘリウムイオンより重いものを特に重粒子線と呼びます。
重粒子線(炭素イオン)を光のおよそ70%のスピードに加速して、照射し、体の深部のがんに強いダメージを与えます。
メスを使う事なく、痛みを伴わずに、体内のがんを治療できます。

驚き連続の調査でした。
医学って??ここまできたの?


(センターの模型。右上が、光速70%まで加速するシンクロトロン加速器)

施設を案内して頂きました。


(治療スタッフ室)


(治療のため、患者さんごとに固定器を作ります。重粒子を確実に患部に当てる為のものです。)

線型加速器〜シンクトロン加速器。

そして、治療室へ。


(治療室。加速された炭素イオンはここで患者さんに照射されます。痛みはないそうです。)

最先端の医療です。
病状によっては、最良の治療法ですが、案内して下さった群馬大学のお話では、
まだまだ、医師の中にこの治療が充分に理解されていないとの事。

神奈川でも始まる「重粒子線治療」。
この治療を必要としている方に、いかにちゃんと受けて頂けるようになるのか。
しっかりと、準備して欲しいと実感しました。

最後に………
私の姉は、C型肝炎(戦後、予防注射を同じ針で何人も打っていたことから罹患)、
肝臓がんで、58歳で永眠しました。

血液が固まらない病気を持っていたため、手術は、がん細胞に続く血管を縛る手術でしたが、どうしても処置できないがん細胞がありました。
結果、再発し、星になりました。
もっと早く、「重粒子線治療」が一般的になっていたら、今も姉は笑顔で生きてくれていたかもと。

重粒子線治療は選択肢の一つです。
姉のような、手術が無理という患者さんには、頼もしい選択肢と言えると思いました。

この、治療には、技術を持つスタッフが必要です。
また、設備面でもかなりの費用とメンテナンスが必要と思われます。
この2点をクリアした時、がん患者にとって、治療の幅が増え、
これまでのように、
がん=人生の終わりと思う方が、がん=通院で治療し元の生活に戻れる……と前向きに考えることができる……
そう思って、頑張れる方が増えることを期待しました。


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