文教常任委員会県内視察 (vol.206)
2012/09/07 ブログ by 安川有里
9/5、文教常任委員会の県内視察で、「県立希望ヶ丘高等学校」と「県立麻生養護学校&元石川分教室」へ。
神奈川県立希望ヶ丘高等学校は明治30年、神奈川県最初の旧制中学校として創立されました。
神中(じんちゅう)の愛称で親しまれ、
現在でも陸上部などのユニフォームには『J』のマーク、
神中に由来していると言われているそうです。
今年で創立116年、今の希望ヶ丘の地に移転して61年。
卒業生は35000人の伝統校です。
希望ヶ丘高校に制服はありません。(標準服はありますが。)
40数年前の学園紛争時に制服がなくなったそうです。
実は、私の母校も学園紛争時に、生徒会が先生たちを説得して、
大阪府で初の制服廃止校になりました。(1970年頃)
生徒の自主性を重んじるという校風も希望ヶ丘に似ています。
我が住吉高校は、部活と学校行事で思いっきり青春するタイプの生徒が多く、
3年生の部活が終わる夏頃から、受験にむけて予備校通い…という感じでした。
(私が在学していた頃は、毎年100名ほど大阪大学合格者を出す進学校でした。一浪は、
まあ仕方ないか〜という友人もかなりいました\(//∇//)\)
それはともかくとして、希望ヶ丘高校。
恵まれた環境の中、全日制837名、定時制468人の生徒が勉学に、部活動に励んでいます。
現在、全日制過程は、
「学力向上進学重点校」「『切磋琢磨する部活動』重点校」として、
定時制過程は、「3修制の導入」で、新しい希望ヶ丘高校の歴史を刻み始めています。
「学力向上進学重点校」の取り組みは、高校教育の責務と考え、
入学から卒業までの3年間全体を見通した上で、入学者選抜、教育課程、キャリア教育、進路指導体制、教育環境の整備の5つの視点に着目して、研究を進めています。
難関大学進学率の高いことでも有名だった希望ヶ丘高校。
最近、その数値が低くなって来ている……との声が、ありましたが、
この取り組みで早慶・上智・MARCHなどへの合格者が毎年増加してきているそうです。
(受験を意識してもらおうと、廊下には各学校のポスターが並べられています。)
「『切磋琢磨する部活動』重点校」ー生徒がより主体的に部活動に取り組み、
高い技術を身につけ、様々な課題を自らの力で解決することを目指しています。
ユニークな部活も沢山……ブレイクダンス・マンガファンクラブ・パントマイム・ドレスクリエイトetc.
生徒が自主的に提案し、顧問の先生を決めているとか。
陸上競技部や、剣道部、囲碁将棋部、マンガファンクラブなど、全国大会や関東大会で成果を残しています。
定時制には、現在62名の外国人生徒が在籍しています。
HPの卒業生の声の中に、ベトナム出身の生徒の「丁寧に指導してもらった」との喜びの声が載せられています。
通常の授業時間の他に、課業時間前の授業を受講し、履修・修得するとともに、高等学校卒業程度認定試験科目合格の単位認定や、学校外における学修の単位認定などにより3年間で74単位以上を
修得し卒業出来るようにもなりました。
キャリア教育も積極的に取り入れ、社会人としての人間力を育成しています。
高校は3年間(または定時制の4年間)。
この間で得たものが、卒業した時、そして何十年後たった時、実を結ぶ日が来ます。
そして、心の故郷になっていることに気づきます。
充実した高校生活を送って欲しいと、授業中の生徒さんを見て、心の中で声をかけていました。
今年、20数年ぶりに、大阪の母校の同期会に出席します。
今年は「キャンパスツアー」が、メイン。
楽しかった3年間。あの頃の仲間とタイムスリップするのが、今から楽しみですo(^▽^)o
午後は、神奈川県立麻生養護学校へ。
県立柿生高等学校の跡地に平成18年に開校しました。
肢体不自由教育部門と知的障害教育部門が併置され、
それぞれに小学部、中学部、高等部を持つ、県内でも最大級の特別支援学校です。
現在、345名の児童・生徒が在籍しています。
基本理念はインクルージョンを持つ目指す学校。
教育目標は
① 社会参加と自立のために、一人ひとりのニーズに応じた教育を行い、生きる力を育てる。
② 共に支えあう地域社会の実現のために、地域の活性化に貢献する教育活動を推進する。
です。
教育計画は、保護者と共に作成・活用して、きめ細かな教育を行っています。
(校内を視察する前に、校長先生から学校の概要についてうかがいました。)
ちょうど、帰宅のため、スクールバスに分乗しているところでした。
今月から、1台増えて、6台体制で送迎しています。
6台体制になったことで、全コース60分以内で回れるようになったそうです。
元気な子供たちが帰ったあと、各施設を案内して頂きました。
これまでも、何校か特別支援学校は入学式や卒業式でお邪魔することがありましたが、
設備面でも、麻生養護学校は恵まれた環境にあるといえそうです。
新しい校舎で、バリアフリー・車椅子がすれ違える広い廊下…
施設のあちらこちらに工夫が見られました。
また、開かれた学校を目指して、インターンシップやボランティア、教育実習生を積極的に受け入れています。
調査日も、帝京大学や、明星大学の生徒さんが、キビキビと子どもたちのアシストをしていました。
元気な声が響く学校でした。
(高等部の生徒が作ったコースター。お土産にいただきました。)
本校を調査後、元石川高校の中にある「分教室」へ。
分教室は高等部のみ。
障害が軽く、自力で通える生徒が、各学年15名。
元石川高校の校舎の一階4教室を使っています。
ちょうど、部活を終えた生徒さんたちから、お話も伺えました。
電車とバスを乗り継いで通学していること、部活のこと、
照れながらも楽しそうに話してくれました。
地元の企業と提携し、清掃の作業をやっていること。
元石川高校の生徒と共有しているセミナールームは、
分教室の生徒たちの手でピカピカに掃除されていました。