安川有里( YURI YASUKAWA )公式サイト

ホーム>沖縄本島視察報告 (vol.165)

沖縄本島視察報告 (vol.165)

2012/05/15 ブログ by 安川有里


みんなの党・神奈川県議会議員議員団のスポーツ振興議員連盟の仲間と、一路、沖縄本島へ。
本島最初の視察場所は、「旧海軍司令部壕」。


(那覇市内を見下ろす高台にあります)


(沖縄戦を振り返るコーナー。DVDによる体験者のみなさんの証言もみることが出来ます。)

ここは、昭和19年(1944年)日本海軍設営隊によって掘られた司令部壕です。
当時450mあったかまぼこ型にくり抜いた横穴、コンクリートと抗木で固め、米軍の艦砲射撃に耐え、持久戦を続けるための陣地で、4000人の兵士が収容されていました。

太平洋戦争中、沖縄は、唯一地上戦が行われたところです。
沢山の沖縄市民が闘いの末捕えられ、辛い思いをしました。
そんな歴史を後世に残すため、戦後放置されていた壕の中の遺骨収集を行い、
昭和45年(1970年)に、司令室を中心に300mが復元されました。

105段の階段を下りて壕内へ。通路が縦横に、迷路のように張り巡らされてい
ます。

作戦室・幕僚室・司令官室・暗号室・下士官室など、
この壕は、軍の最高軍事秘密だったため、民間人は近づくことも許されず、工事は軍隊のみで行われました。


(医療室)

1945年1月20日、佐世保鎮守府から大田実海軍中将が、沖縄方面根拠地隊司令官として赴任し現地の指揮を執ることになりました。
アメリカ軍による本格的な攻撃は3月23日頃から始まりました。
3月31日午前8時には那覇市の北西沖約10キロメートルに浮かぶ神山島に上陸し、4月に入ると島に設置された砲台や海上艦船からの攻撃も始まりました。
5月半ばになるとアメリカ軍は那覇市街地に迫り、首里付近に集結していた陸軍は、5月22日に沖縄本島南端部への撤退を決めました。
小禄司令部壕を守っていた海軍もこれに合流するため、武器の一部を廃棄して5月26日から移動を開始しました。
しかし、命令の行き違いがあり、5月28日に小禄司令部壕へ引き返しなければなりませんでした。

6月に入って、アメリカ軍の攻撃が激しくなったため、陸軍との合流は断念せざるを得なくなり、海軍は司令部壕付近に孤立する状況となりました。

6月4日、アメリカ軍は小禄飛行場の北部に上陸し司令部壕のある那覇市南西部を包囲しました。
大田司令官は6日夕方に辞世の句とともに訣別の電報を打って自らの覚悟を伝
え、
夜には「沖縄県民斯ク戦ヘリ」の電報を打って事後の処理を依頼しています。
包囲が次第に狭められていく中で、壕内に重火器はほとんど残っていないため、歩兵による突撃で応戦するのが精一杯の状況でした。

11日午前7時、司令部壕に集中攻撃が加えられました。
同日夜、司令部壕からの最後の報告として海軍根拠地隊が玉砕したとの電報が
打電されています。
13日午前1時、大田司令官は彼の部下とともに、壕の中で自決しました。

小禄半島での戦いで海軍は、4000の命を失ったといわれています。
司令官室・作戦室に近い部屋には、幕僚が手りゅう弾で自決した時の破片の跡が当時のまま残されていました。


悲しい傷跡です。

”The FORMER JAPANESE NAVY UNDERGRAND HEADQUARTERS”と題した英語版のパンフレットには副題が付けられています。
”The Underground talks! The tragedy of war and value of peace.”
地下壕は語る!戦争の悲劇と平和の価値・・・

沖縄戦による戦没者は、日米あわせて、200656名。

戦争のもたらす悲劇は、語り継いでいかなければなりません。
塾講師として歴史も教えていた私ですが、
今回沖縄県を視察した事で、歴史を学習して行く事の大切さを改めて感じました。

翌日は、うるま市の図書館を調査しました。

うるま市中央図書館が開館した当時は、沖縄では空前の図書館ブームでした。これはようやく沖縄でも社会の生活・生産基盤、いわゆるインフラストラクチャーの一つとして、図書館が認識されてきたということの現れで、物質やエネルギーと同じように、情報の価値が重要だと考えられる時代がきたといえそうです。
最近では、インターネットを活用し毎日多量の情報が生産され、流れてくる時代ですが、図書館はいろいろな情報の中から、図書や視聴覚資料・新聞・雑誌等を精選して提供する重要な施設として、現在も人々に活用されています。

今回はそのなかでも、日本図書館協会が「優れた図書館建築を顕彰し、それを広く世に知らせることによって、図書館建築の質の向上を図ること」を目的として制定している図書館建築賞を受賞した「うるま市の中央図書館」を視察しました。


(受賞記念)

この施設は図書館建築賞を受賞していますが、建築デザインもさることながら、カウンターから図書館内部を見渡すことができる書架のレイアウトと、本の並べ方に、工夫が凝らされていました。


(カウンター)


(レファレンスコーナー)


(児童書のコーナー)


(トイレは環境配慮型)

図書がどこにあるかが一目瞭然で、親切で効率的な施設運営がなされていました。
また、住民票の窓口にもなっていて、地域住民が気軽に立ち寄れる図書館と簡易な公共窓口を有する為、市民サービスの拠点としても活用されていました。

今回の視察を通じて、市民が主体的にかかわる事業構築や、図書館という施設を活用した行政サービスのあり方を確認することができ、今後の神奈川県の施策の参考にしたいと思いました。


Tags: 

コメントは受け付けていません。