宮崎サンシャインエフエム&渚の交番 (vol.161)
2012/05/03 ブログ by 安川有里
岩本県議と茅ヶ崎の長谷川由美議員と3人の珍道中視察に、茅ヶ崎の千葉繁市議会議院が加わって宮崎の視察開始。
(宮崎県は日向の国と言われます。朝日がこんなにきれい!まさに太陽に向かっている国という気がします。)
市役所の観光課・宮崎市の観光協会にお邪魔して、後で調査する『渚の交番』と宮崎の観光の実情についてお話を伺いました。
続いて、開局13年目を迎える『宮崎サンシャインエフエム』へ。
立ち上げの頃の苦労話や、厳しい経営状況など、ざっくばらんにお話をして下さいました。
24時間放送を目指し、社員4名とパーソナリティが一つになって番組作りを行っています。
2008年からはサイマル放送も始めました。サイマルラジオでは、自社制作の番組しか放送できない為、
サンシャインラジオ独自の番組作りにより力を入れるようになったそうです。
宮崎の大学ー南九州大学・宮崎大学・宮崎公立大学・宮崎産業経営大学の学生さんによる番組(これらの大学には放送研究会はないそうです。)有志が集まり、番組を企画制作して毎週OA!!
個性豊かなパーソナリティの魅力を発揮できるようにとの工夫が随所に見られました。
また、1/9~11まで東日本大震災の被災地をレポートした「九州ライフ」。好評で、再放送を行っているそうです。
レポーターとして現地に赴いた「花ふぶき一座」の宮田若菜さんが、局に来ていらして、交流を持つことが出来ました。
(宮田若菜さんと記念撮影をする長谷川市議を撮影する岩本県議。)
ところで、昨年の東日本大震災をきっかけに、災害時の地域密着放送局として活動している各地のコミュニティ放送局が交流を持つようになりました。宮崎サンシャインエフエムは、昨年のGWに、炊き出しを申し出ました。
その時に一緒に活動した仙台の『ラジオ3』と、毎月一回、
宮城の復興の情報や宮崎の観光の情報の交換をする番組を、双方でOAしているそうです。
コミュニティFMは、私個人として、FM世田谷・鎌倉FMと番組にかかわって来ましたが、改めて「あり方」について考えることが出来た調査でした。
最後は、『渚の交番』へ。
「交番」と言っても「おまわりさん」がいる交番ではありません。
青島地域の海岸利用者の利便性の向上(青島の海岸には「海の家」はありません。)を図ること観光と地域の振興を資することを目的としたビーチセンターです。
社団法人宮崎市観光協会(宮崎県宮崎市)は、日本財団(東京都)の助成を受け、「安心、安全、綺麗で楽しい海を創る」を目標として宮崎市青島海水浴場に「渚の交番」を、2010年6月に設置しました。
「渚の交番」とは、地域に密着した海岸地域の新しい総合的管理を行うための拠点となる施設で、宮崎市が全国で最初に設置しました。
現在は同施設を拠点とし、ライフセーバーによる海岸線の巡回、青パトを活用した海岸地域の防犯パトロール、各種団体と連携したマリンスポーツ講習会や地域活性化のためのイベント開催などが実施されています。
また、このプロジェクトは海水浴場に一年を通してライフセーバーが常駐する全国初の事例となるとともに、
さまざまな恩恵を与えてくれている海。身近に、もっと慣れ親しんでもらいたいという思いから実現されたものです。
みんなの党神奈川県議団のローカルアジェンダ(公約)では、海の安全確保に関連する項目に「海の交番」を位置付けています。
今年、1月、宗像議員・芳賀議員・久坂議員が視察を行った当施設。
議員団の一人として視察することで、公約を具現化する知見を広めることができたと思っています。
『渚の交番』の概要
(1)主な施設内容
○広々としたウッドデッキ
○環境に優しい太陽光発電パネルの設置
○より使いやすいコインシャワーが24台
○内温水シャワー(男子3台 女子3台 障がい者対応1台 合計7台)
○多目的トイレとバリアフリー対応トイレを完備
○AED設置
○冷たい飲み物の自動販売機
○便利なコインロッカー
(インフォメーション。なぎさの交番のサービスが案内されています。)
(太陽光発電のソーラーパネル。この他に太陽熱温水器も設置されています。)
(コインシャワー内部。水シャワーと太陽光で暖められた温水シャワーがあります。)
(2)営業時間
海水浴場期間 【7月2日~8月31日】 8:30~19:00 (休業日 不定休)
通常 【上記以外】 9:00~17:10 (休業日 毎週水曜日 その他不定休)
(3)シャワー料金
冷水 1回(3分)につき 100円
温水 1回(3分)につき 200円
ロッカー 100~300円 (営業時間内の利用)
ここで、自主事業に計画されている内容をまとめてみましょう。
(1)海だけでなく、地域のパトロールも行う。
「渚の交番」と言っても、活動は決して海辺ばかりではない。海辺に住んでいる人の日常から安心・安全を守れるように、地元団体と協力して地域をパトロールしている。
(2)地域の人が気軽に集える場を提供する。
散歩の途中で一休み、子育てママさんの井戸端会議、町内会の集会など、地域の人が気軽に集まれるコミュニケーションの場として、「渚の交番」を利用してもらえるようにする。
(3)夏場はもちろん1年中、海を守る。
ライフセーバー関係者と協力して、シーズンの夏場はもちろん、それ以外の時期も海辺の利用者に異常がないかしっかりと巡回し、年間を通していつでも海の安全と安心を守る。
(4)地域を元気にする海辺のイベントを実施する。
その土地の自然や文化などを活かしながら、その地域を元気にするようなイベントを、各団体や観光協会、企業、その地域に住む人達と共に企画し、実施していく。
(5)海辺の環境や動物の保護・調査活動を行う。
海の生物を保護している人達や、海岸浸食などの環境を調査している団体と共に、いつまでもきれいな海を残していけるように海辺の環境を守る活動する。
(6)様々なスポーツの体験教室を開催する。
サーフィン・ビーチバレー・スキューバダイビングなど、各スポーツのインストラクターと体験教室を開き、マリンスポーツの経験があまりない人にも海の楽しさを伝えていく。
・・・加えて、今年4月から新しく加わった事業があります。
それは、吉本興業の「あなたの街に”住みます”プロジェクト」企画とのタイアップ事業です。
青島の二次交通の充実を目指し「お笑い人力車」を運行。
お笑いコンビ・ちきんなんばんが案内役になり、さまざまなイベントを展開していくそうです。
(「ちきんなんばん」の二人のお笑い人力車に乗って記念撮影。
私の右側は長谷川茅ヶ崎市議。)
今回の視察で、渚の交番設置までの具体的な過程をヒアリングできたことは、大変有意義なものでした。
まず、感じたことーそれは、神奈川県議会において私たちの会派が「渚の交番設置」に積極的な姿勢で動いている現状と、
宮崎市におけるこの施策の成功例とを比べると、明らかに現在の神奈川県の状況に足りないものが幾つもある、ということです。
それは、地元住民の積極的な関わりであり、しっかりと安全を守る技術をもったライフガード協会の主体的行動であり、観光協会が地域再生をキーワードにした拠点整備をすることです。
つまり、地元住民が中心となった横断的取り組みが必要であると。
行政や議会からの一方的アプローチによって設置された「渚の交番」を持続していくには、かなりの困難が予想されます。
住民理解を深め、積極的な地元住民参加の機運が高まった段階で、施策を行わなければ、宮崎のような成功はない、と言えるでしょう。
設置すれば海の安全が守られるという安易な考えでは、決してこの施策を行ってはいけないと実感しました。