『教育は人生におけるすべてのチャンスの出発点』by ミッシェル・オバマ(Vol.513)
2015/03/22 ブログ by 安川有里
ミッシェル・オバマ米大統領夫人が18日午後来日。女子教育の重要性を訴える旅の一環で、ファーストレディーとして初訪日でした。
途上国の女子教育を支援するアメリカ政府の「Let Girls Learn(女子に教育を)」構想を、安倍昭恵・首相夫人と、女子教育推進のための日米パートナーシップを表明しました。
「教育が、自分の人生におけるすべてのチャンスの出発点であった」というミッシェルさん。
19日に東京で女子学生を招いて行った講演で、女子教育の重要性を訴えられました。 ミシェルさんはシカゴの低賃金労働者が多く住む地区の出身。自らの幼少時代を振り返りながら、努力して学ぶことで大学に進み、弁護士になる夢をかなえた経験を語られました。
ミッシェルさんは世界には貧困やテロの脅威などで学校に通えない女の子が6200万人いると指摘し、女性の教育を支援する「Let Girls Learn(女子に教育を)」構想を発表したこと、世界中の少女が教育を受ける機会を増やし、生活水準を高めることを目指して、アメリカ政府が支援を行うことに言及されました。
発展途上国などでは、特に思春期以降の少女について、教育を受けさせようとしない文化が根付いている地域もあります。多くの少女を学校に通えなくしている根本的で複雑な問題に向き合わなければ、女子教育の問題は解決出来ません。少女の強制結婚、負担しきれない授業料や家事労働の担い手の喪失といった経済的阻害要因などの問題です。
しかし、「学ぶことなど必要ない」という大人からの圧力に耐えながら、学び続けている女の子たちがいます。
女子教育への弾圧の実態は、マララさんのノーベル平和賞受賞などを通じて明らかになりました。今なお途上国では学習の機会を奪われている少女達がたくさんいる現実があるという事を・・・。この問題に挑戦を続ける少女たちは、毎日何マイルも歩いて学校に通い、毎晩何時間も勉強し、そして、学ぶことなど必要ないとする人たちからの弾圧にも耐え続けています。
ミッシェルさんは「学校は完璧と程遠いかもしれない。でも考えてみて欲しいのです。」と語った上で、「教育を受けようとしている少女のなかには、大人たちからの容赦ない弾圧を受けている人もいる。彼女達が堂々と学ぶ機会を得るためにはどうすればよいか。先進国の私達も含めて考えるべきことがたくさんあるはず、女子教育の遅れは世界にとっての大きな損失。」と指摘されました。「女子教育は単に本人の将来だけではなく、家族、地域、国にとって最大の投資だ」とも強調されています。
平成27年度第一回定例会で「子どもの貧困」についての県の計画が議会承認されました。ミッシェルさんの取組みは、日本の今の「6人に1人が貧困」という現状への対策にもなるはずです。教育がもたらす効果は、教育を受けた本人の利益だけにとどまるものでは無いと思います。
「教育は人生のおけるおけるすべてのチャンスの出発点」、この言葉をこれからの教育施策の基本にしたいと思っています。