健康づくりを考える(Vol.368)
2014/04/13 ブログ by 安川有里
4/13、神奈川県立保健福祉大学地域貢献研究センター開設記念シンポジウムが開催されました。
地域貢献研究センターは、昨年11月に、県立大学のの「地域社会への貢献」という基本理念と、「神奈川県立保健福祉大学 将来構想」に基づいて、神奈川県の、『地(知)』の拠点づくりの一環として、県下の組織体制を構築し、地域貢献や地域が抱える保健・医療・福祉の課題に対応した研究等を一層促進し、地域の発展に寄与するために設立されました。
開会に際して、県立大学の学長から、挨拶がありました。
『猛烈な勢いで高齢化している神奈川県。医療・保健・福祉の枠組みをどうするか?これまでの施策ではだめだ!地域が持つ人間力ー地元地域の拠点になれば!ー知的財産を地域に貢献したい。それを課題として英知を結集して研究していきたい。』
今回のシンポジウムのテーマは「健康づくりを考える〜ユネスコ無形文化遺産となった和食と健康づくり」。
先着500人で応募したところ、事前に満席。私も、ファックスで参加を頼んでの参加でした。
基調講演は東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野の佐々木敏教授。
「科学的エビデンスに基づいた健康づくり」をテーマに、すぐに役立つお話を楽しく解りやすく!日常に活かすためのヒント!をお話し下さいました。
いま話題のSTAPP細胞など再生医療の研究は、未来の話。今日は、食べ物と健康—今日の夕食に役に立つお話!をと、悪玉コレステロールなどを例に挙げ、解りやすい例から、専門的なお話への展開。関西なまりの優しくてユーモアあふれる語り口で、情報のトレーサビリティや知的生産物のトレーサビリティを重視についてetc.興味深い内容の基調講演でした。
「己を知る」自分の日頃の食事や、栄養の摂取量を知る事(専門家に見てもらおう!)というアドバイスもいただきました。(自分の肥満度・BMIを知っておこう!)
そして、講演。まず、つきぢ田村・田村隆さん。テーマは「文化遺産になった和食の“いのち”を考える」。
料理家視線の、健康への思いが伝わるお話が伺えました。
続いての講演は、NHK「あさいち」のディレクター 押尾由起子さん。
番組で一番人気のあるテーマは、「健康」&「食」、なかでも「健康にもよい食生活」が視聴者に喜ばれるとのこと。
世界遺産になった和食。認定される前に、こんな放送があったそうです。『なぜいま「うま味」?』(2013/3/13OA)
当時「和食」が世界遺産に申請中和食の主要素の一つに「うま味」がありました。
世界遺産に登録とは、「遺産」……つまり、失われつつあるもの、だから登録して守っていくベキと登録申請を行うー失いたくない心・伝承の技術だからこそ、和食が「ユネスコ無形文化遺産」になりました。
しかし、和食の基本の「うま味—だしの話」が一般的なものであると、いうコンセプトでは、番組にはなりません。
そこで、最近の意外な話を提案すること番組で紹介する一方、パーソナリティーに疑問を提示させることで、視聴者に情報を鵜呑みにさせない工夫をしながら、番組づくりをしていらっしゃるそうです。
パネルディスカッションでは、さまざまな意見が飛び交い、充実した議論になりました
食育の中で中心となる家庭での教育、お母さんやお父さんが作った料理が身体の一部になります。そして、家庭の味の継承が大切なこと。
例えば、主婦か自分で買って来た材料で、作る事、家族の顔を浮かべながら、手作りの料理を作る事の大切さを改めて感じたシンポジウムでした。