貨物船”BEAGLE Ⅲ”衝突・沈没事故 第一回連絡協議会 (Vol.366)
2014/04/03 ブログ by 安川有里
このニュース、覚えていらっしゃいますか?(朝日新聞の記事から)
『18日午前3時10分ごろ、神奈川県三浦市の剣崎から南東約6キロ沖合の浦賀水道で、パナマ船籍の貨物船ビーグルⅢ号(1万2630トン)と韓国船籍の貨物船ペガサスプライム号(7406トン)が衝突し、パナマ船が沈没した。パナマ船の中国人乗組員20人のうち、12人が救助されたが、1人は搬送先の病院で死亡。2人がけがをしている。8人は行方がわかっていない。
第3管区海上保安本部は巡視船など17隻と、ヘリコプター2機で救助活動に当たっている。
3管によると、パナマ船は鉄板を積み、横浜から神戸に向かっていた。韓国船は韓国人6人、ミャンマー人8人の計14人の乗組員を乗せ、韓国から東京に向かっていた。2人がけがをして病院に運ばれたという。』
この事故で、BEAGLEⅢ号は、北緯35°5′、東経139°43′の海底100mに沈没しました。船主を南に傾く事なくほぼ水平に沈んでいます。
沈没した日は春一番が吹いた日で、漏れた油は千葉の海岸に流れました。しかし、その後、走水から、鎌倉の海岸まで、三浦半島〜相模湾の海岸に油が流れました。
(ちょっと見づらいですが、海岸線のほんのり赤いところが、油が漂着したところです)
結果、沿岸の漁業を営む方を直撃します。ひじきの収穫はあきらめました。定置網に油の害が出て来ています。今後、どれほどの被害になるか、全く予測がつかない状態です。
今日、「東京湾口外国船沈没油流出事故関係説明会」が船主側の方とサーベイヤー、保健代理人弁護士の出席のもと、行われました。
事故について、船の現状などの説明の後、「だから、なんなの?今日の会は誰のためにやっているの?」というのが、私の正直な感想でした。説明後の休憩を挟んで、質疑応答が行われました。
「こうしている間も、沈没船から油が流れ出ている。」
「昼間に、調査したり吸着マットで油の処理をしているのは知っている。でも、夜の間は、油が海水に流れている、それが、漁業にどれほどの影響があるのか?説明者は理解しているのか?」
「原因となっている燃料を抜く事が出来ないのか?」
「まず油の流出を止める事を考えてほしい。」etc.
漁業に携わっている方の、心の叫びが会場に響きました。
これに対し、調査中との返事が多い説明者。保障については、船舶の保持者がいくらの保険に入っているかの把握すら出来ていない、と弁護士さんの返事。今日の話し合いは、これ以上はすすまないと判断され、1時間半の説明会を終了!
(説明会の会場)
急遽の開催で、私の事務所に連絡があったのはおととい。地元選出というだけではなく、環境農政常任委員会の委員としてどんな事があっても出席しなければと、出席しました。漁業者の方々の生の声が聞けて、よかったと思います。
なぜ、事故から2週間と2日経ってからの説明会なのか?すぐに県なり神奈川県漁業協同組合連合会に対策法の相談がなかったのか?私の疑問です。とにかく、今後は途中経過や方向性、保障の有無など、、はっきりと見える情報を提示して頂きたいと思います。