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動物たちの大震災(Vol.359)

2014/03/16 ブログ by 安川有里


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 3/16、ヴェルクよこすかで、「犬と猫と人間と2〜動物たちの大震災」の上映会が開催されました。是非、観たい……前売りのチケットを久里浜のサニム(美味しい自家焙煎珈琲のお店)で購入し、時間を工面して、鑑賞して来ました!

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 2011年3月11日におきた東日本大震災では、多くの人々だけでなく、犬や猫などの動物たちが被災しました。被災した動物の数は自治体でも把握しきれていません。今なお保護活動が行われています。
 監督は宮城県出身の映像作家の宍戸大裕さん。3/14、東京で働いていた宍戸さんは、ふと読んだスポーツ紙で母校に避難している年配の女性の記事を目にしたそうです。「涙が出て来た、この震災は自分の地元でおきているんだ!帰りたい。帰って地元の人の生きる姿を記録したい」ーこうして、600日に及ぶ宍戸さんの撮影の日々が始まりました。
 監督の師匠?でもある飯田基晴さんから「連絡が取れないから」と連絡があった”アニマルクラブ石巻”の阿部智子さんとの出会いが、動物を取材するきっかけになりました。
 映画には、被災した方々、ペットたち、動物たちを保護しているシェルターの方々etc.が登場します。残されたのは、ペットの犬や猫だけではありません。被爆した牛たちを生かすべきか否か、行政は殺処分を決めますが、生かしていこう!と、畜産農家とボランティアの方々が、立場を超えて困難に立ち向かう姿を描いています。

 宍戸監督の、ドキュメンタリーにかける思いが心の奥に伝わって来たのと同時に、作品づくりの原点をこの作品は教えてくれました。
 震災をつうじて「社会」をあらゆる角度から見たという方も多いと思います。
 避難所に犬たちは入れないため、一階の柱にリードをくくって自分たちは2階の避難所へ、襲って来た津波で愛犬は流されてしまったご夫婦は悔やんでも悔やみきれないと。さらに、福島第一原発の事故により福島県では、半径20km圏内の住民に避難指示が出され、避難指示区域には、たくさんの動物たちが取り残されました。その動物たちのその後は?ボランティアの方々が小さな命を支えて来ました。「牛たちの殺処分を止めて!」と役所に掛け合ったときの対応、市場に出す事の出来ない牛を殺処分する事なく動物として牧場で暮らす事を決意した時の心の動き、牛の流した涙、一緒に暮らしたくても、新しい環境ではペットが飼えずシェルターに通って我がペットを抱きしめる被災者……この現実に、目をそらさず、しっかりと見つめ受けとめる必要を強く感じました。そして、このような災害が再び起きたとき、私たちはどう対処すべきなのか、問題に正面から向き合いたいと思いました。

 映画のラストシーンの監督のモノローグ、
『気がつけばあの日から、1年8ヶ月が過ぎていた。僕はまだ、この事態をまとめる言葉を持たない。振り返ると、動物たちの眼差しがよみがえる。いまも動物たちは、人間を見つめている。その眼差しに応えるのは、私たちしかいない。』


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