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横須賀発!「ヤサイクル」の取り組み (vol.349)

2014/02/15 ブログ by 安川有里


 生ごみを資源として活用し、食品関連事業者や農家を含めた自立循環型リサイクルループ=ヤサイクルを考案し実践してる「株式会社横須賀軽金」にお邪魔し、ヤサイクルの生みの親・小野仁志社長にお話を伺いました。

 ヤサイクルを考案して、(株)横須賀軽金の社内に「環境事業部」をつくり、この事業に情熱をかけていらっしゃる、熱い思いが伝わって来ました。

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(ヤサイクルの可能性について語ってくれた小野社長。)

 かねがね、私は、ホテルのパーティーなどでたくさん残っているお料理、どうにかならないものか?と考えていました。
 もったいない!と思い、毎年同窓会で使っているあるホテルで「ドギーバッグ持って来たので、お料理、持って帰ってよろしいですか?」と聞いたところ、「だめです」とのこと。3年連続でお願いしましたが(自己責任ですからと申し添えても)だめでした。
 この他、コンビニの賞味期限切れのお弁当や、賞味期限1/3ルールの食品(参考・セカンドハーベスト)など、日本はたくさんの食品を廃棄しています。
 
最近は、自治体やホテル、レストランでも「お持ち帰り」を推進しているところが出てきていますが、まだまだ、大きな運動になっていません。

 今回お話を伺った「ヤサイクル」の取り組みは、私の考えと基本は同じです。

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 もったいない、大量廃棄をせず、資源に再生出来ないか?

 ヤサイクルのきっかけになったのが、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズとの出会い。食品資源再生機器「生ごみ処理機」・マジックバイオくんを販売したことでした。実は、ベイシェラトンでは、毎日およそ1tの生ごみが出ていて、その処理が悩みだったそうです。
 
 処理機販売の交渉の中で、販売するだけではなく、再利用がきちんと出来るまでのノウハウを構築しなければ、と考えた小野さん。そこで、生まれたのが「ヤサイクル」です。生成された堆肥を引き取り、それを農家が使いやすい「ヤサイクル堆肥」にして、契約している「土にこだわる」農家に無償提供。その肥料をもとに育てられた野菜を買い取って、生ごみ処理機のある飲食店に出荷します。
 これが『自立』循環型サイクルループです。

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 小野さんが、ヤサイクルに取り組み始めたのは6年前。
 シェラトンから始まったヤサイクルの輪は、箱根の「山のホテル」、葉山の「日影茶屋」、今も野菜からソースを作っている東京・滝野川の「トキハソース」、そして、横須賀の「カフェ・ド・クルー」……と広がり、自治会や幼稚園などでも注目され、園児の食育や体験学習に、また地域の家庭から出る生ごみの資源化に活用されるようになりました。

 堆肥を提供し、できた野菜を買い取る契約農家。農薬や化学肥料をなるべく使わない野菜づくりをしている「こだわり」の農家と契約をし、今は北は北海道(アスパラやジャガイモ)から、南は沖縄(鈴カボチャ)まで、70件をこえています。

 お話をうかがった後、マジックバイオくんを実際に見せて頂きました。

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(生ごみの内容物によって、出来て来る堆肥の色が違います。)

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(高速乾燥機。オカラなどが瞬時に乾燥し粉にすることで長期保存ができます。)

 こだわりの、安心野菜を食べたい!という方の為に、北久里浜に「八百屋CAFEヤサイクル」をオープン!(2012年7月)たっぷり野菜のサラダやスープを楽しむ事が出来ます。

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(ランチのサラダプレート)

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(ヤサイクルで育った野菜も販売しています)

 日本の食べ物の廃棄物は年間、22,000t。(国民一人当たり171㎏)世界でいちばん食べ物を捨てている国といわれています。これだけの食べ物があれば、世界で飢えて亡くなっていく子ども達がたくさん、飢えを凌ぐ事が出来るのです。

 今回お話を伺った小野さんの取り組み。横須賀発!のヤサイクルの輪が、もっともっと広がる事を期待しています。

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(2/6に行われた、平成25年度 かながわ地球環境賞の授賞式で表彰をうける小野社長)


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