就労は究極のリハビリ(^^) (vol.227)
2012/11/06 ブログ by 安川有里
11/1、障がい者、中でも「精神障がいをもつ社員雇用日本一」といわれる
富士ソフト企画(株)大船本社を視察しました。
富士ソフト企画(株)は富士ソフト(株)の特例子会社で、
社員数152名中123名が障がい者、うち半数は精神障がいをもっています。
(2012年4/1現在)
事業内容は、データ入力、HP作成、サーバー管理、名刺作成、印刷物全般の制作
そして、障がい者委託訓練、講演・執筆活動etc.です。
「就職は無理」と思っていた精神障がいの方も、
短時間勤務からはじめる、体調にあわせてフレックスタイムにする、
チームで仕事をカバーする……などの工夫をこらした勤務体制で、
笑顔あふれる職場になっています。
例えば、身体障害の方が届かないところを知的障がいの方がカバーし、
知的障がいの方のサポートを精神障がいの方がサポート、
精神障がいの方の心のケアを身体障がいの方が行う…
それにより、障がい特注が軽減される中、一つひとつのプロジェクトが進んでいきます。
又、社内にカウンセラーを配置し、きめ細かく悩みの相談に対応しています。
(仕事のスケジュール、かなりの量の仕事をチームでこなします)
就労は医療を超えて障がいを軽減する、究極のリハビリ・・・
その確信のもと、IT企業の子会社として、
一人一台のパソコンを使用し、妥協する事なく業務に専念する事を目標にしているそうです。
案内してくださった遠田千穂さん(人材開発グループ長)はこうおっしゃっています。
「特に精神障がいの方の場合、就労する事で症状がよくなる方が多く、
障がいをオープンにすることで、周囲の理解もすすみます。
誰もが明日は障がい者になる可能性があるわけですから、
その時、どう対応するかという意識が大切です。」
富士ソフト企画の業務の中で、大きなウエイトを占めるのが『委託訓練業務』です。
障がい者のための企業就労を目標とした、パソコン技能習得プログラムです。
3ヶ月のプログラムでは、実際の職場を模した教室で、職場適応の訓練が実施されます。
講師は当事者。
どこでストレスを感じるか、どこで躓くかなどをよく理解している講師が、
各自の進度・障がいにあわせて指導していきます。
プログラムの終盤で行われる「パワーポイントを使ってのプレゼンテーション」の日は、
企業の方が参加、マッチングの場になっています。
これまでも、日立・サンリオ・全日空etc.の企業に就労が決定した!という成果が出ています。
就職率は70%。
「一人でも多くの障がい者の自立支援を実行するため、
働く喜びをみんなに取り戻してもらいたい。」
そんな会社の気持ちを現したDVDも見せていただきました。
特別支援学校の生徒が毎日実習に来ている富士ソフト企画。
私たちが視察させていただいた日も男女一人づつの実習生が職場体験を行っていました。
ヴァイオリンが得意という女子高生は「(なんと)吉祥寺から通っています。」と笑顔で話してくれました。
視察を終えて会社を後にした時は、ちょうど昼休みに入ったところ。
社員の皆さんは、和気あいあいとランチに向かっていきました。
あっという間の2時間。
仕事中にもかかわらず、ご自身の体験を話してくださった皆さん、ありがとうございました(o^^o)